みなさん、オイル交換ってどのくらいの頻度でされていますか?
以前、Instagram内ストーリーで簡易アンケートを取ってみたのですが、3000km毎という方もいれば、15,000km、20,000kmという方までいらっしゃいました。
回答が一番多く、なおかつ平均値となったのは、5,000km毎という結果でした。
BMW MINIディーラーでの推奨は15,000kmとのこと。
ディーラーに言われれば、そうなのか、とそれに従っている方も多いかもしれません。
しかし、平均値は5,000km… この差はなに…?
怠るとどうなるの?
MINI整備のプロに聞きました。
オイル交換にまつわるあれこれを、この度なんと、BMW MINI専門店・整備のプロ、Ms+factoryの大橋さんにご協力いただき、直撃させていただきました!!
早速ですが、オイル交換はどのくらいでするのがベストでしょうか?
5000kmから8000kmで期間は1年に1回がベターだと思います。
ディーラーでは15,000km(もしくは1年)と聞いたのですが…??
ディーラーで15,000kmというのは以前25,000kmだったのが短くなって15,000kmになりましたが、メーカーからのメンテナンスパックが指定距離になっているのでディーラーも右にならえという感じでしょうね。
ディーラー、メーカー共に保証期間内に壊れなければ我関せずだと思います。
オーナーさんが長く乗ることを目的としてメンテナンスのプランは組まれていないと思いますよ。笑
※一時、第2世代メーカー指定のオイルはロングライフオイルというもので、25000㎞(または1年)ごとの交換が推奨されていたそうです。
え…そうなんですか……。保証内に壊れなければ…て………。
オイル交換の頻度の差は、何年後かに影響するかも…なんですね…。
長く乗るためには早めがおすすめということですね。
オイルが古くなるとどうなるの?
ではオイルが古くなると、どのようなことが起こる可能性が出てくるのでしょうか?
アルミシリンダーのMINIのエンジンは、オイルが古くなり潤滑作用が落ちてくると、少しづつ削れてピストンとシリンダーのクリアランスが広くなったり、ゴムのガスケット、Oリング類が熱による硬化が進みオイル漏れの原因になります。
エンジンオイルには防錆・潤滑・冷却の三大要素と他に、膨潤・洗浄・分散・消泡・酸化防止など色々な添加剤がオイル自体に含まれています。
各添加剤が酸化劣化・熱劣化することにより、汚れが生成されやすくなり、汚れが着きやすくなります。オイルに泡が混じり、金属部品に直に接してしまったりして金属摩耗が起こる可能性が増えます。
MINI(BMW)のエンジンの特徴
ええと、MINIはアルミシリンダーエンジンということですが、一般的な国産車と違うのですか?
最近はアルミシリンダーの車が大半だと思いますが、MINI・BMWの車はシリンダーライナー(シリンダーの中に鉄の筒磨耗しにくい素材)を使わない製造方法(特殊コーティング)をしているので、オイル管理が悪いと、そのコーティングが剥がれてしまい摩耗が進んでしまいます。
シリンダーライナーがない代わりにコーティングされているけれど、それが汚れたオイルにより剥がれてしまい、さらにはシリンダーが削れてしまうということですね。なるほど…。
※ピストンとシリンダーはアルミですが、エンジンの圧縮やオイルを掻き落すためのピストンリングは鋼鉄製合金のため、アルミを削ってしまいます。
オイル上がりとオイル下がり
シリンダーが削れてクリアランスが広くなると、どうなるのでしょうか?
削れて隙間が大きくなったところからエンジンの燃焼室にオイルが入ってしまい、燃えて無くなっちゃいます。
なのでオイルが減るのです。
これがオイル上がりです。
それがオイル上がりですか!
オイル下がりというのもあったかと思うのですが?
ゴムの硬化がオイル下がりの原因になります。
※オイル上がり・下がりの基準は、シリンダー(燃焼室)に対してオイルが、
上から降りてくるものがオイル下がり、
下から上がるものがオイル上がりです。
それ以外は基本的にはオイル漏れとなります。
オイル上がり・下がりのわかりやすい症状はありますか?
モクモク煙が出ます。
マニアックな話ですが、オイル下がりはアイドリングでしばらく置いてアクセルを吹かすとブワッと煙が出ます。
オイル上がりは常に走行中もうっすら白くなる程度なので見分けは難しいです。
どちらも酷くなるとずっと煙が出てます。オイルが燃えると白い煙が出ます。
マフラーから煙が出ているのはかなりヤバイということですね。
エンジンオイルの劣化でそんなことにまでなるとは…
オイルメンテは将来に向けて
人間の身体でよく言われる血液と一緒で、コレステロールが溜まると血管が詰まったり、高血圧等で血管が固くなって破裂したりと同じようなことが起こります。
オイル交換によって防げる故障というのは、オーナーさんにとってすぐに身に迫る危機と言うより遠い将来の事なので、オイルの交換が故障の予防に繋がるという意識はあまり無いかもしれませんね。
ただミニ(BMW)ばかり専門的に見させて頂いている当店としては、ある程度交換スパンを守って頂いているお客様は総じてオイルメンテによって起こるトラブルは少ないです。
今大丈夫でも、遠い将来の故障…。オイル交換で防げるものなら、防ぎたいですね!
ちなみに、カー用品店やスタンドのお手頃オイルでも大丈夫なんでしょうか?
MINIのエンジンの性能を考えると、ある一定レベル(市販金額で2000円/1L)前後のものがいいのではないかと思います。
メーカーの認証オイルが大体その位の金額していますので。
わかりました!そのくらいが目安ですね。
最後に、それだけオイル交換するとなると、今度は毎回排出される廃油の行方が気になるのですが、廃油はその後どうなるのでしょうか?
廃棄されるオイルは大体の自動車整備工場の場合、回収業者さんが回収し、再生重油として銭湯など重油を使う工場などで使われてるみたいです。
そうなんですか!まだ使い道があったのですね。
それならよかったです。
結論:オイル交換は後々影響してくる
ディーラーやショップの勧めで何気なく替えていたエンジンオイルも、交換を怠ると、のちのちに影響が出てくることがわかりました。
MINIに長く元気に走ってもらいたいので、オイルメンテはきちんと行っていこうと思います!
大橋さん、お忙しいところ、本当にありがとうございました!!!!
おまけ
・・・
技術的なところに説明が偏っている気がしますけど大丈夫ですか…?
せっかく整備のプロにお伺いさせていただいているので大丈夫です!!
マニアックなブログになっちゃいますよ?笑
だだだ大丈夫です!
MINI愛で読んでくれるはず…
大橋さん、本当にありがとうございました。
お忙しいにも関わらず、こんなに丁寧に色々お話してくださった大橋さん。
以前直接お伺いした際にも、「MINIに初めて乗った方のMINIが整備がきちんとできてなくて、すぐ壊れて、MINIはすぐ壊れるよ〜って広げられたら嫌なんですよね。」とおっしゃってらしたのがとても心に残っています。
Ms+factory 代表 大橋さん
2013年に創業したMs+factoryは、京都でBMW・MINIを中心に整備・販売・チューニング・ドレスアップ等をするお店。
元BMW、MINI正規ディーラーのメカニック。